SDR受信機の実験で紹介した受信機で7MHz帯をワッチして4年程になります。盗聴ではなくあくまで傍受です。したがって、受信内容についてはまったくここでは触れません。
近年、デジタル技術とネットワーク技術の進歩によって旧来の放送・通信の形態も様変わりしてきています。インターネットラジオやSDR-Radio(放送、通信両用)なるサービスがその例です。ただ、日本では一部ラジオ放送などが数年前から始まったにすぎず、遅れをとった感は否めません。遅れの原因は日本の著作権法(?)、電波法の制約等の問題なのでしょう。
従来から「なんでもWebブラウザで」をモットーとしていたことからこれらのサーバはどのような構造、仕組みでサービスをしているのかを数年来興味を持って調査してきました。
ある時、GNU Radioプロジェクトなる存在を知りました。そこではソフトウェア無線専用のソフトウェア・ツール・キットを開発していて、これらのツールをもとに、様々な無線アプリが開発・実験されています。それらのツールを使ってSDR受信機ソフト、受信信号をwebサービスで配信するサーバソフトなど現在かなりの数の成果ソフトがあるようです。
そのサーバソフトの1つ(他にshinySDRというソフトがあるが、現在開発が停止しているようで、single-user仕様)のOpenWebRXをインストールし、現用のSDR受信機と連結することにしました。これによってSDR受信機の受信電波をインターネットを介して、遠隔地からWebブラウザによって受信が可能となります。現用SDR受信機の仕様から受信可能周波数幅は、7120±96KHz すなわち7024 ~ 7216KHz となります。場合によって、Xtalを取り換えて7070±96KHzの6974KHz~7166KHzも可能です。
サーバ機としては、友人から譲りうけたデスクトップPCにubuntu17.XのOSを導入し、そのもとでOpenWebRXを稼働させ、レベル調整、AGCパラメータ等の調整等を行いました。若干受信音質に不満が残るものの実用になるとの見込みのもとに、後日常用windows10マシン中のVMware(仮想計算機ソフト)の下でのCentos7, ubuntu17.x等に移植しています。ubuntuでは、192KHzのサンプリングに処理が若干追い付かずバッファーオーバフローでデータ取りこぼしが発生することがあります。最終的にはCentos7で満足な動作が確認できました。同時利用が4名程度なら現在のCPU能力でこなせそうです。
ということで、以下では現状のOpenWebRXについて、特に使用方法を中心に解説します。
受信画面と各部の名称
chromeでの受信画面
受信パネル
上図受信機パネル中には、受信操作に必要な周波数表示や操作ボタン、スライダーが配置されています。図中の受信中のFreqは受信中の周波数(搬送波)を、water fall上のマウスポインタのFreqは現在のマウスポインタの位置に対応した周波数を示しています。受信帯域マーカの位置が受信中のFreqを示しています。そのほか、water faill調節のスライダ2つ、音量調整スライダーなどがあります。ここで得られる情報をもとに、操作法のポイントを列記すると。。
操作法のポイント
起動直後は既定値として
受信周波数は7100KHz, 復調モードはLSB となっています。