現在、HF帯リニアアンプを製作しています。この際にパワーTR/FET内の発生熱をいかに早く放熱するかが問題となります。適正に動作点(バイアス)を決めた後、最終的にはこの放熱問題が残ります。安価なSW用FETの放熱はドレイン電極に接続された金属板を通じて行われるため、放熱器とFETの間は電気的絶縁と良好な熱伝導性が必要となります。
今回製作に当たって、最初はシリコンラバー(普通品)を使用していました。ところが連続的にパワーを出力するとすぐ、FETのDーS間のショートによりFET破壊するトラブルが頻発しました。そんな折、某OMさんのアドバイスで新型シリコンラバー(商標サーコン)があるとの情報をいただき使用してみてはどうかのお話し。。。早速使用をしてみました。(いずれの2種のシリコンラバ―は秋月電子で入手可)
効果は歴然のようで、新型シリコンラバ―ではFET熱破壊は一度もいまのところ発生していません。このことから、この2種のシリコンラバ―の熱伝導性能を比較する簡易の比較テストを行ってみました。
MOS-FETに2W程度(10V, 0.2A)の熱損失を発生し各々のシリコンラバーを介した小型放熱器(アルミ製)の温度上昇を30秒毎、15分間測定したものです。下記に結果を示します。
測定風景です。
結果として、確かに新シリコンラバ―(サーコン)の場合が2~4度程度放熱器の温度が高く、熱伝導性能が高いと思われます。ただし実際の使用環境(SSB送信時等)の瞬時大量熱発生時などの特性についての確認は残念ながら不能です。FET破壊が発生しないので結果オーライとしています。